08.11.19
古賀メロディーと詩の力
古賀政男さんの懐かしのメロディーをTVで聴いた。過っては、一杯飲み屋の狭いカウンターでテープや有線の曲に合わせ、はたまた流しのギターにのせ歌い弾かれた定番・名曲の数々を聴くことをもっぱらとしていた。これらの名曲は、いわゆるのど自慢、歌好きの専売特許であり、音痴である歌下手な自分の出番などは全くなかった。たまに、指名され歌ったにしても音程外れでヒンシュクを買うのが落ちであった。
名曲は、歌わずとも曲の心がそれぞれの範疇の引出しに納まるもののように思える。
「影を慕いて」や「湯の町エレジー」などへの共感は、未体験の「焦がれる恋」に恋したいという願望の引出しに、「酒は涙か溜息か」や「悲しい酒」は、酒を材料にメランコリーを演出したり、ママさんの気を引かんための引出しに、「ああそれなのに」は、宴会や座敷での座興に覚えておけよとの先輩から教えられた和製英語版替え歌の引出しに、「柔」や「人生劇場」は、人生の処世法や応援歌、浪花節の引出しに、「誰か故郷を想わざる」や「人生の並木道」は、幼き日の思い出や故郷回帰への擬似体験感動への引出しに、そして「男命の純情」は、人は何より「純情」が大切と諭してくださった恩師の言葉[特に男は誠実であるより純情だ!]をしまう引出しに納められていた。
曲と詩に含まれたメッセージとキーワードが、無意識に深く、しかも強く蓄積されていたがゆえに、歳月を経て新たに聴いた時、意識上にのぼり不思議にも口ずさみ歌えていることに気付いた。
名曲とは、それを歌いこまずとも、覚えようとせずとも、ただ聴いていただけでも心の琴線に触れ、蓄積され、時至れば噴出する力(エネルギー)を持つものであると思った。
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